そして迎えたのは本当のファイナル!5月3日の広島公演以来8回目のライブ参戦となる私にとっても,「最初の最後」が訪れた。
ファンクラブ席でさえも2階にあるという入手困難なチケットであるためやむを得なかったのだが,座席は2階16列。遠いことは遠いが,決して麻衣さんのパフォーマンスが楽しめないような席ではなかった。
今日もうっちーさんとご一緒させていただいたが,今回のライブにはさすがにファイナルにふさわしい趣向が用意されていた。添付した紙片をご覧いただければ分かるが,当日はチラシと一緒にサイリウムといわれるいわゆるペンライトが同封され写真の紙片が添付されていた。麻衣さんを驚かすサプライズとして,スタッフの粋な計らいである。要請もよく守られアンコールになるまでに光らせた観客は私以外には見られなかった。(^_^;)
実は,同伴のうっちーさんはこのサイリウムというものを初めてご覧になるということで,かつてポール=マッカートニーのコンサートで使用した経験のある私が,「こうやって使うんですよ」と先輩風を吹かせて教えてあげようと軽く折る真似をしたところ,ほんのちょっとの力しかいれていないのにもかかわらず「ポキリ」と折れてしまい,光りだしてしまった。まだ,開演のブザーが鳴る前のことだ。(-_-;)
まぁ,2時間くらいは持ってくれるだろうと,私はあわててそのサイリウムをバッグの中にしまうと,いよいよファイナルステージの開演となった。
前日同様動きは良い。歌詞の間違えはあったが声もしっかりと出ていた。MCではファイナルに対する熱い思いとファンへの感謝の言葉,"grow Step by Step"というツアータイトルの意義の集大成が語られ,いやがおうにもムードが高まる中,しかしライブ自体は昨日同様粛々と進行して行った。
コスチュームも基本的には1ヶ月ばかり前の大阪とほとんど変わらない。「PERFECT CRIME」からの上着を脱いだ"片肌脱ぎ"の衣装は,相変わらずどきりとするほど美しい。
ライブは進み,「Stand Up」と「Feel fine」の熱狂の中,麻衣さんがステージから消えた瞬間,客席では5,000もの蛍が乱舞を始めた。サイリウムから光が放たれたのだ。Mai-Kコールの中静かに輝く黄色い光…。幻想的なムードが高まる。(私のサイリウムも,まだまだちゃんと発光していました。)
そして,麻衣さんがステージに帰ってきた。
ちなみに着ていたツアーTシャツは「赤」。昨日「青」と読んで失敗した私は今日は青であろうとあきらめていたが,奇しくも最後の最後で,また麻衣さんと同じ格好で同じ空間にいることができた。きっと彼女は赤が好きなんだろう。
しかし麻衣さん,5,000の光を見ると立ち往生してしまった…。声を詰まらせ,言葉が出ない…。
幾多の「頑張れー!」の声がかかる中,やっと麻衣さんの口が開き,しどろもどろになりながらMCをこなすと「明日へ架ける橋」が始まった。涙をこらえながら歌詞の一つ一つをかみ締めるように歌う様子が伺われる。が,最後の部分
「辛くても今…」「・・・・・・」
最後の部分を伸ばし,タメを作ってから次の歌詞に入るところだが,感極まった麻衣さんは次の歌詞が歌えなかった。
あまりにその空白が長くなりすぎたからだろう,麻衣さんはつい自分から吹き出してしまい,そして涙し,また苦笑いを浮かべながら涙する…。
どのくらいの時間が経ったのだろう,もちろん数秒でしかないはずなのだが,それは永遠にも感じられる時間だった。
観客から「頑張ってー!」の声がかかる。そして麻衣さんはそれらの声についに意を決したように歌い始めた。
「君がいる…」
そして,涙をこらえながらヘロヘロになりながら曲紹介をすると「Stay by my side」。この曲の1番アカペラは,最初に見た広島から,とうとう最後まで変わらなかった。
そして「always」で大団円を迎える・・・。
しかしその後のことだ。エクスペリエンスのメンバーと手をつないだ麻衣さんは観客に向かっていつもより倍近く深々と頭を下げると,いつまでたってもその頭をあげようとしないのだ。
いつまでそうしていただろうか?この場にいる5,000の,そして各地のライブ会場に足を運んでくれた数万の,そして残念ながら会場に来ることができなかった数十万のオーディエンスに対し,麻衣さんとエクスペリエンスは永遠に続くほど頭を下げ続けた。
そして,エクスペリエンスがステージを去る…。
しかしどうしたことだろうか?麻衣さん一人ステージから離れようとしない。
そして中央に立つと,はっきりとした口調で思いを込めて我々にツアー終了の報告と,支えてくれたお礼の言葉を語り始めた。
ありがとう。麻衣さん。お礼を言うのは私たちの方だね。ここ4ヶ月間本当に素晴らしい思いをさせてもらったよ。ありがとう。ありがとう。
そして静かに麻衣さんがステージから消え,前方の大型モニターにはエンド・ロールが流れ始めた。
…しかし,帰ろうとする客はいない。それどころか,みんな気持ちをひとつにして「Mai-K, Mai-K, Mai-K」とマイケーコールで麻衣さんを呼び続ける。良くぞ続くなというほど永遠にこだまするマイケーコール。
そして,ついに麻衣さんはもう一度ステージに登場した。そしてもう一度ていねいにお礼の言葉を述べてくれると,今度は本当に去って行った。
さようなら,麻衣さん。お疲れさま。
今度は10月2日に会おうね!
こうして私にとっても,熱狂の「Mai Kuraki 2004 Live Tour Wish You The Best〜Grow, Step by Step〜」は幕を閉じた。
そして,ふと気がついた。ゲストや変わった趣向を求めていた自分の愚かさに…。
麻衣さんは,このツアーを最高のものにしようと懸命に努力してきた。そして彼女自身ツアーを通じて一歩一歩成長を遂げ,その夜頂点を迎えた。これこそが彼女の最高の姿であった。本当はもうこれ以上何も望む必要はなく,我々はありのままの麻衣さんの素晴らしさを感じることができたのだ。まさに彼女が"Wish You The Best"と望んだように…。
最高の最後,最後の最高。
ただ惜しむらくは,すでに多くのファンBlogに書かれているが,のべつまもなく入る歓声。特にしっとりとじっくりと,静かに歌い上げる曲の最中の掛け声は,雰囲気を見て,感じて,控えて欲しかった気がする。それだけ,今回のツアーが評判を呼び,初めてここで彼女のライブに参加するという人が多かったのだろうか。
ともあれ,いったんライブツアーは終了した。最高の時間与えてくれた麻衣さんに感謝。
しかし,私にとっての「最高」はそれだけではなかった。
今回の東京2daysは今までのどこの会場にもまして多くのファンの方々と交流することができた。今回の東京公演参加の大きな割合を占める理由が,実はこういった日ごろはネット上だけのお付き合いだった方々と一緒にさまざまな交流をしてみたいと言うことであったので,その意味でも非常に有意義な2日間であった。
「麻衣ど日記」とTSSのうっちーさんには2日間お宅にとめていただくとともに,車を出してくださり言葉にならないほどお世話になった。またご両親にも大変よくしていただき,本当にお礼の言葉も無い。
「麻衣さん応援記」のume.kさんは,Blog仲間のメッセージ集CD-ROMを作って麻衣さんにプレゼントしようという企画を立ててくださり,大変なご苦労の中ついに実現された行動力には頭が下がった。ファイナルの朝,ume.kさんのお宅に伺い,仕上げをご一緒させていただいたことは私にとってもいい思い出となった。
「Mai.Kサポーターサイト」のみっちーさんは大変に実直な方で,何かと気を遣ってくださり,最後には我々の写真を撮ると,すぐにカメラ店へ走り,麻衣さんへのプレゼント用写真を用意するとともに,焼き増しをすると,ご自分で費用を負担されて我々全員に大きな写真を配っていただいた。
そのほかにも,ようさん,宇都宮君,とっちさん,ゆきたかさん,カズさん,カズさんの弟さんとは,24日夜にオフ会でさまざまなお話をさせていただいた。
その他にもかこっちーさん,ESRさん,Sivaさん,エミリーさん,YNOさん,Mai-K buffさん,gogoさん,esさん,PUROさん,スカイさん,syuji3さんとはやっとはじめてお会いできたし,その他何度も各地のライブでご一緒させていただいている方々とも,またいろいろとお話しすることができて最高に楽しかった。(ごめんなさい,名前を落としている方がいらっしゃるかもしれませんが…m(__)m)こちらの目的も十二分に達成することができた。
さて,何だか人生の目的が終わってしまったような気がする今夜だが,へこたれずに10月2日を次の目標に,また頑張って生きていくことにしよう。
麻衣さん,そして皆さん。本当にありがとうございました!