7月24日のセミファイナルは,「麻衣ど日記」のうっちーさんとご一緒に1階27列目という比較的恵まれた席でライブを楽しむことができた。
開演前にバックステージパスを着けた中国語を話す女性スタッフを眼にしたりしたものだから,ひょっとしてゲストにヤンツィーさんが登場するのではないかと興奮したが,まったくの勘違いであった。
東京国際フォーラム ホールAは,新しくきれいな会場で,麻衣さんもその環境を楽しむかのように,ライブは淡々と進んでいった。
元気はいい。曲のクロージングでジャンプをしたり,腕を大きく上下させてエクスペリエンスの指揮を取る場面があるが,そのジャンプの高さ,躍動感ある仕草など,今まで参加した6回のどの公演よりも力が入っていたことがありありと分かる。
ただ,やはり私の頭の中には「ファイナルは何かが起こる」という伝説にも似た情報を信じ,ヤンツィーさんが現れて「Tonight, I feel close to you」をデュエットするのではないかとか,松本孝弘氏が登場して「イミテーション・ゴールド」をやるのではないかとか,さまざまな妄想的希望が渦巻いていた。
しかし,いつまでたってもそのような「非日常的」なことは起こらず,ライブは淡々と進んでいった。むしろ,観光の話題を語るMCが無い分だけ,外見的には「地味」なライブとも取れる。
けれども麻衣さんがこの東京公演に秘めた胸の内はよく分かる。いよいよ最後を迎えて,自分も少しずつ成長を遂げてきたという自負があるのだろう,自信に満ちた力強いパフォーマンスが続く。
セットリストは広島後の公演のものとほとんど変わらなく,演出もほぼそのままを踏襲している。違いは「Black & White」によるエクスペリエンスのメンバー紹介が終わって麻衣さんが再登場するときの曲順が,かつては「I don't wanna lose you」→「key to my heart」であったものが逆になったことと,「Stand Up」のときに今までのようにステージのフロア上で歌うのではなく,セットに組んだ台の上(大型モニタの前〜向かって右付近)で歌ったことだろうか?このことは東京公演2daysとも同じであった。
少し今までと違ったことは,公演終了後あいさつに立った麻衣さんが,自分の口から「報告がある」ということで,10月2日(土)に立命館大学 びわこ・くさつキャンパスにおいて「2万人を集めた」ライブをやるというお知らせがあったこと。これを聞いた多くのファンはその瞬間に,この「びわこ・くさつライブ」への参加を決めたということは想像に難くない。
とにもかくにも,今まで参加してきたどの公演ともセットリストには違いが無く,Loving You...ツアーのときのようにゲストも登場せず,取り立てて変わった演出も無かった。
このようなことで,私は最高のパフォーマンスを目の前にしながら何か別種の戸惑いがあった。
「あれ,ファイナルっていっても,いつもと変わらないなぁ…。」と。